最近の1冊 2000年 追加版 




◆☆☆ 1/8/2001 ☆☆◆

 2000年のこのページは、とうとう8/19以降更新できませんでした。m( )m
これはおすすめ!と、書きかけても途中で止まってしまったり、コバルトのシリーズもの2つに手を出したりして、しばらくいろんな本を読めないでいたせいでもあります。

世紀は変わってしまいましたが、20世紀後半のおすすめ本をこちらでまとめてご紹介します!




『スマイルフード』 Smile Food
鈴木るみこ編
マガジンハウス
2000年8月
952円(税別)

おいしいものをおしえて、と尋ねると、たいていの人が少し困った顔をする。
それなら、あなたは何を食べてるときがしあわせ? 今度はこう尋ねてみよう。
ほら、たいていの顔が、ほわりとゆるんだ。
おいしいって、好きな音楽と同じくらいパーソナル。

 〜 略 〜

とりあえずは食べて、笑顔がこぼれればそれでハッピー。
あなたのスマイルフードは何ですか?


(本書より。)

スタイリストの岡尾美代子さんが選んだのは、[六曜社]のドーナツ、「フローラ」のベビーティー etc...。

粉料理研究家の堀井和子さんが選んだのは、「ブルサン」のナチュール(チーズ)、[井上蒲鉾本舗]のじゃこ天 etc...。

などなど、14人が選んだスマイルフードと、その他、お取り寄せガイド。


『ヨムヨム王国』
斉藤次郎+増田喜昭
晶文社出版
2000年8月
1,400円

おとなになってから青森の小学校に「留学」したふしぎなおじさん、ジロちゃんと、子どもの本の専門店「メリーゴーランド」の店主、ひげのおっさんが案内してくれる、子どもの本のガイドブック。子どもの本の専門店リストもついています。

岡田淳さん、上橋菜穂子さん、飯野和好さんなど、作家への直撃インタビューもあります。


  1.どんなときに物語が浮かびますか?
  2.何を使って書きますか?
  3.好きな動物はなんですか?
  4.好きな食べ物はなんですか?
  5.嫌いな食べ物は何ですか?
  6.最近買ったもので、気に入っているものはなんですか?
  7.願いごとがひとつだけかなうとしたら、なにをお願いしますか?
  8.本を読もうとする子ども達へメッセージをください。


『小さな家とスイスの朝食』
堀井和子
KKベストセラーズ
2000年6月
1,400円

スイス旅行、バスク旅行を通してのエッセイが、堀井さんの美しい写真と共に収められています。自転車にまつわる、子どもの頃の想い出も。。。

『早起きのブレックファースト』『アァルトのジャムティー』に続くKKベストセラーズからの3冊目です。


『海客宣言』
十二国記コミックアンソロジー
キャロット出版

小野不由美さんの「十二国記」シリーズの同人誌アンソロジーです。同人誌というのを買ったのは初めて。ファンの間で話題になっていた『海客宣言』が、BOOK OFFで100円だったので、何冊か買ってみました。でも、まだ積読状態。

X文庫ホワイトハートで大人気の「十二国記」が、講談社文庫から続々と刊行されていますが、新刊は『月の影 影の月(上・下)』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空(上・下)』『図南の翼』 が全部出た後の今年4月頃だとか。

でも、2月には、祥伝社ノンノベルから『黒祠の島』という孤島ミステリーが発売予定だそうなので楽しみです。


『古書店めぐりは夫婦で』
USED and RARE Travels in The Book World
ローレンス・ゴールドストーン
ナンシー・ゴールドストーン
ハヤカワ文庫

誕生日のプレゼントに『戦争と平和』を送ろうと思いつき、気に入った1冊が古本屋で見つかったことをきっかけに、若い夫婦が、どんどん古本の魅力に取り付かれ、稀覯本収集へとのめり込んでいく様子が描かれているノンフィクションです。
続編も書かれているらしいので、発売が楽しみです。

夫婦揃って古書収集を趣味にできたというのはきっと幸せなことですね。日本では、ご主人が集めてくる汚い本の山を前に奥さんがためいきをつくという場面が多そうですから。でも、この夫婦の場合その本の趣味まで一致しているのが不思議です。

古本にまつわるエッセイ、小説が好きです。自分では、初版本にこだわったり、稀覯本を集めたりという趣味はないのですが、古本をめぐるそういったエピソードには興味があって、出久根達郎さんの本などはたいてい読んでいます。

海外の古本事情は、日本とはちょっと違うような気がしていたのですが、この本はアメリカの古本マニアの解説書としても読め、思わず自分も古本めぐりをしてみたくなってしまいました。丁寧に製本された芸術品のような1冊との出会い。
本を愛する心を持つ方には楽しめる1冊だと思います。


『O(オー)の物語』
R.M.カンター
 訳:三井マリ子
レターボックス社
1988年4月
1,800円

登場するのは、O(オー)と、X(エックス)という記号化された存在で、ばかりの組織の中に、たった一人存在するの立場がシンプルなイラストでわかりやすく描かれています。圧倒的な人数の同類グループの中で、少数者がとても目立つこと、人数的な優位さによって、意識的、無意識的にとってしまう行動や思考のパターンに、なるほどとうなずいてしまいます。


赤木かん子さんの本の中で紹介されていて、興味を持っていた本を図書館で見つけました。大判の絵本仕立ての真っ赤な本です。

訳者の三井マリ子さんは、国会という男性多数の組織の中の女性議員という立場で、Oに象徴される人ですが、日本人の中の"外国人"、健常者の中の障害者、公園デビューに悩んでいる人などなど、いろんな場面を想定することが可能です。対人関係の難しさを感じている人におすすめの1冊です。


『ぐるぐるな毎日』
k.m.p.
JTB
1998年4月
1,200円

k.m.p.とは、若い女性二人が活動する「金もうけプロジェクト」の略。
勤めていた会社を辞め、自分達の好きなことをして生きて行こうと始めた新生活。
旅行に出かけて旅行記を書き、フリーマーケットで手作りの作品を販売する毎日の細々とした出来事、考えを素直に書き綴ったのが『ぐるぐるな毎日』です。

「普通の暮らしって何?」「結婚って何?」時には落ち込みながら、世間の "常識" について疑問を投げかけ、前向きに自分達の生き方を貫こうとする姿勢は、共感が持てて、応援したくなります。

初めて出会った本は『エジプトが好きだから』。二人が体当たりで旅行した生の情報が、イラストと写真で自由に構成され、レイアウトから文字デザインに至るまで、凝りに凝った、見応えのあるガイドブックでした。その後『ベトナムぐるぐる』『ぐるぐるな気持ち箱』などたくさん出版され、インターネットのサイトも出来ています。k.m.p.グッズもいろいろ買えます。

イラストたっぷりの旅行ガイドとしては、杉浦さやか『ベトナムで見つけた』(祥伝社黄金文庫)もかわいくておすすめです。


『光の帝国』
恩田 陸
集英社
1997年10月
1,700円

常野と呼ばれる地方には、特殊な力を持った一族が住んでいた。
他人にその能力知られないように、ひっそりと暮らす常野出身の人達の短編が集まって1冊の本になっています。私が一番好きなのは、最初の物語「大きな引き出し」。この "しまう"能力を持った人の話がもった読みたい!

ゼナ・ヘンダースン『ピープル』シリーズという作品へのオマージュだとのこと。読もうと思って『果てしなき旅路』ハヤカワ文庫を買いました。


『六番目の小夜子』でファンになった恩田陸さん。『タイム・トラベラー』(原作:筒井康隆『時をかける少女』)へのオマージュだからなのか、高校ではなく、中学校に舞台を変えてNHKでドラマ化されたものも楽しんで観ました。

今年は、会社を辞め、専業作家となられた恩田さんの作品が、次々と本になって出版され、まだ全部読んだわけではないのですが、『木曜組曲』『三月は深き紅の淵を』『象と耳鳴り』を始め、『不安な童話』『PUZZLE』『球形の季節』など文庫になったものを買って、既読のものを読み返したりもしました。

雑誌「活字倶楽部 2000年秋号」は恩田陸さんの特集記事があり、おすすめです。


『BH85』
森 青花
新潮社

育毛剤研究者の一人が、こっそり紛れ込ました特別な育毛剤が原因で、生き物全てを根本的に変えてしまう出来事に発展してしまう。。。
ファンタジー大賞優秀賞受賞作です。

作者は、知人のお姉さん。「姉が本を出したのでよかったら読んでみて。」と言われて早速図書館へ走り、そのまま一気に読んでしまいました。
吾妻ひでおさんのマンガチックな挿絵で、ちょっと損をしている気がします。

子ども向けの海外SFミステリー傑作選で読んだ、『液体インベーダー』R.M.ファーリー作 [国土社]を思い出してしまいました。こちらもラストに感動してしまったおすすめの本です。



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◆ はまっていた集英社コバルト文庫 とは? ちょっと恥ずかしいですが、ご紹介すると...。

倉本由布「きっとシリーズ」

第1巻『きっとめぐり逢える』  第2巻『きっと忘れない』濃姫夢紀行
戦国時代にタイムスリップし、織田信長と恋に落ちる濃子の物語。
第3巻目以降、主役は、信長と濃子の娘、蒼生子(たみこ)に変わります。

二つの時代の両親を持つ蒼生子は、タイムスリップ体質を持ち、様々な時代にタイムスリップするのですが、同じ運命に生まれた信澄くんと行く先々で出会い、恋をするという設定が、ファンタジックで、タイムトラベルもの好きの私は、一時すっかりはまってしまいました。
シリーズとして十数冊発売中。まだ続くようです。



桑原水菜「炎の蜃気楼シリーズ」通称ミラージュ

戦国時代の武将達が、怨将となって現代に蘇り、闇戦国として闘いを始める。上杉謙信の命を受け、調伏という力を使って怨将達の魂をあの世へ送りつける上杉夜叉衆。人の身体から魂を追い出し、その人間に成り代わる換生という形で生きる彼らは、生きることの意味を問い、悩みながら成長していく。

「きっとシリーズ」と反対に、織田信長が最大の悪者として描かれているのも面白い。
かなり激しいボーイズラブが入っているので、拒絶反応を起こす人も多いかも。。。

「活字倶楽部」の特集記事を見て、熱烈なファンが多いのと、歴史に詳しくなれるかもという動機から、どんなものかと手を出して、そのままずるずると読み続けています。敵と戦うための力は、真言(真言宗のおまじないの言葉)を唱えることで発揮されるという設定で、毘沙門天などの仏様の真言が随所に出てくるため、"真の名"というゲド戦記の世界にも通じるような気がして心惹かれるものがあります。

紅葉を見に山科の毘沙門堂へ行った時、いろんな仏様の真言がカタカナで書かれているのを見てわくわくしてしまいました。。。弁財天の真言を唱えたら、お金に縁ができるかななどと、一緒に行った人と声を合わせて唱えてきました。「オンソラサバテイエイソワカ。」霊感の強い彼女によると「きちんと唱えると、身体が温かくなる。」とか。

現在三十数冊出ているものの、BOOK OFFで10冊100円とかで売っていたので集めやすかったシリーズです。

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