表紙へもどる
Tirta Kencana第5回定期演奏会プログラム Tirta Kencana第5回定期演奏会プログラム 2009.5.21















 本日はようこそ、ティルトクンチョノ「第五回定期演奏会」にお運びを頂き、ありがとうございます。メンバー一同厚くお礼申し上げます。
 ジャワガムランを楽しむ市民グループとして「ティルトクンチョノ」が誕生して来月で丸6年、定期演奏会としましては5回目という節目を迎えます。
 沢山の楽しい思い出がありますが、この一年では、昨年10月の「びわこビエンナーレ」出演等のステージ経験、あるいは保育園、養護学校、児童館、公民館等の地域に向けての演奏会やワークショップ等、様々な経験をさせて頂きました。これも皆様方のご支援の賜物として偏に感謝申し上げる次第です。
 本日の演奏会はお子様から大人の方まで幅広くお楽しみ頂ける内容となっていますので、どうぞ最後までゆっくりご覧下さい。
 この演奏会を開催するにあたり、ご支援を頂いております甲賀市、甲賀市教育委員会、企画監修を頂きました中川真先生、家高洋先生、並びに賛助出演のローフィット・イブラヒムさん、またホール使用にあたって格別のご配慮を頂きました碧水ホール職員の皆様、その他お手伝い下さる関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。 
   ティルトクンチョノ代表 岩井義則
     














 この演奏会で使用されるジャワガムランセットの楽器群の名前もティルトクンチョノと命名されています。
 「ティルト」は水、クンチョノは「金のきらめき」、日本の中央に位置する我が国最大の湖、琵琶湖の、さざ波のイメージをジャワに伝えて命名されたもので す。2001年夏から2002年春にかけて、インドネシア、ソロ市郊外の、サロヨ工房で、サプトノさんの設計監修により製作されたものです。スレンドロ、 ペロッグの両音階が演奏可能で、王宮風の装飾が施されています。2005年秋にはサロヨさんを迎えて楽器のチューニングが行なわれました。
 演奏会修了後、どうぞご自由に叩いて見て下さい。


1--------

プログラム



伝統曲
ティルトクンチョノ
 (Ldr Tirta Kencana Pl. nem)

 サリクスモ ジャワ舞踊
 (Sari Kusuma Ketawang Tunggal Jiwa Pelog Neme)

 スメダン〜ゴンジャンガンジン
  (Gendhing Sumedhang Slendro Songa 〜
   Ndhawah Ladrang Gonjang-Ganjing)

    休 憩

現代曲
 タイムズアップ
  マイケル ナイマン作曲
(Times Up Michael Nyman 1983 ad.N.S 1986)

創作
「りこうな子ども」
 ジャワ民話・演奏とワヤン
   構成・影絵制作 坂本準子
   音楽監修 中川真
 

 会場へ入るとすでに演奏が始まっていたかも知れません。プログラムにない一曲、ウィルジュン(Ladrang Wilujeng sl.m.)です。ジャワ語の「ウィルジュン」は、インドネシア語の「スラマット(selamat)」とほぼ同じ意味で、挨拶や祝福の場面で使われる言葉です。
 歓迎の心を込めて演奏します。
 ガムランはいわゆるクラシックコンサートとは違って、少しくらいにぎやかに聴いていただいても大丈夫。静かに居眠りもOKです。気楽にリラックスしてお聴きください。

ティルトクンチョノ
 名誉顧問スニョト(インドネシア国立芸術大学)がこの楽器群に命名する際に、一枚の楽譜を添えてくれました。以来、グループのテーマ曲として何度も演奏してきました。メンバーの技量に合わせて色々に演奏されます。
 今回の演奏ではチブロン(中くらいの太鼓)にご注目ください。
 
サリ・クスモ
 メンバーの一人がジャワ舞踊に執心、毎回の定期演奏会の華となっています。その師匠から一文をいただきました。

花の舞い。サリもクスモも花という意味である。一輪の花の蕾がそうっと膨らみ、かすかに花びらがのぞく。やがて、咲き誇った花びらは散っていく。花の一生のような舞い。
物言わぬ花は、何を思い咲くのだろうか。蕾は力を内に秘め、雄しべは危ういバランスを保って揺れ、雌しべは密かにたたずむ。花は、ゆっくり朽ちていくのか、潔く散るのか。
物言わぬ踊り手は、何を思い舞うのだろうか。言わぬが花か。ただ、ガムランの風に乗って、からだをなびかせればいいのだが、それが実に難しい。
花のようにではなく、花になって舞いたい。
(佐久間新)

スメダン〜ゴンジャンガンジン
 「スメダン」はジャワ島の町の名前、「ゴンジャンガンジン」は「(地震などで)破壊された状態」の意味で、それぞれ曲そのものとの関係はわかりません。
 この2曲が続けて演奏される理由もわかりません。
 後半の曲では細かくスピードの速いメロディーを、2台のサロンが、半分ずつ手分けして演奏します。インバルという手法です。自在にスピードを変える様子をお楽しみください。

タイムズアップ
 「さあ、仕事の時間は終わった!」というような意味でしょうか。楽しい曲です。しかし練習は難しく大変で、しかも演奏はこれからです。
 マイケル・ナイマンは映画「ピアノ・レッスン」の音楽を担当したことでも有名な現代の作曲家です。
 ジョン・ケージをはじめ多くの現代音楽の作曲家達がガムランを使って作曲しています。ガムラン音楽と西洋音楽の出会いは比較的新しく、ドビッシーが18**年のパリ万博でジャワガムランを聴いて「塔」というピアノ曲を作曲したことは良く知られています。

「りこうな子ども」
 音楽、影絵はティルトクンチョノのオリジナルです。適当な指導者があれば、アマチュアでもこのような創作が楽しめるのもガムランの楽しいところです。


2--------

出演

ジャワガムランアンサンブル
 ティルト クンチョノ
 岩井義則
 坂本準子
 伊藤久子
 田中あゆみ
 小松道子
 小梶喜憲
 日比 誠
 森山みどり
 石原弘之
 田中友紀
 中村道男
 山本ちひろ
 綿岡靖志
 宮本裕子
 小西省吾

中川 真 
家高 洋 
ローフィット・イブラヒム

ジャワ舞踊 小松道子





影絵制作 坂本準子

舞踊指導 佐久間新 ウィヤンタリ


企画・監修 中川真  

協力 甲賀市碧水ホール 
   チャンドラ(アジア雑貨・テンペカフェ)

主催 ティルト クンチョノ

プロフィール
中川真 なかがわしん クンダン・企画監修
 サウンドスケープ、サウンドアート、東南アジアの民族音楽を主な研究領域とする音楽学者。ジャワガムランアンサンブル「マルガ・サリ」代表。京都音楽賞、小泉文夫音楽賞、サントリー学芸賞を受賞。
 著書に『平安京音の宇宙』など、最近には高橋ヨーコ(写真家)とともに日常の「音」をテーマに冒険小説「サワサワ」を上梓、フィールドワーク研究の新しい発表のスタイルとして注目される。
 2001年9月、コンサート「ガムランによって何が可能なのか」で、ガムラン楽舞劇「桃太郎第1場」(曲:野村誠)を初演、以来、碧水ホールでのガムラン企画の監修に携わる。  2008年8月、インドネシア(ジャカルタ、ジョグジャカルタ、スラバヤ)で、「桃太郎」(全5場)を上演する。

ティルトクンチョノ
 「ティルト」は水、クンチョノは「金のきらめき」、日本の中央に位置する我が国最大の湖、琵琶湖のさざ波のイメージをジャワに伝えて命名されたものです。
 マルガサリ中川真氏の監修、指導のもとに伝統的なジャワガムランを学ぶ市民活動です。
 ガムランによる現代音楽や創作の可能性にも注目しています。また、ガムランを利用したアーツ体験の「パッケージ・プログラム」の開発も大切な仕事になるでしょう。ガムランから生まれる多様なアーツ体験を、より多くの人に直接的、効果的に伝え得るような「しくみ」をつくりたいと願っています。
 これらの計画は甲賀市碧水ホールが,2001年秋にマルガサリ、野村誠さんらによるコンサートを開催し、2002年春にガムランを保有したことに始まっています。
 名誉顧問にスニョト(インドネシア国立芸術大学)。



3--------

ティルトクンチョノのあゆみ








2002年 7月ガムラン教室発足
  指導 中川真・家高洋・マルガサリ
  毎週水曜日夜の練習会はじまる
 9月パニョト氏(インドネシア音楽大学)の
  指導を受ける
10月「ティルトクンチョノ」命名
   ホームページ開設
12月公開練習会「一日中ガムラン」

2003年6月「まなびの体験広場」で演奏
 創作「和尚さんとたぬき」他、
 スカルムラティ(岐阜県)との交流始まる

 8月「踊れ!・・」の演奏にメンバーの一部
  が参加

 9月パバンバン氏(インドネシア音楽大学)
  の指導を受ける。
12月公開練習会「一日中ガムラン」

2004年2月「はじめての演奏会」
 ルー・ハリソン「ヴァイオリンとチェロとガムランのための二重協奏曲」
 岩井義則  「声明とガムランの試み」他
 3月キッズ・フェスタ出演

 6月27日(日)まなびの体験広場 2004
ステージプログラム出演
 8月 シスワディ(インドネシア芸術大学教授)、
  ローフィット(ガムラン演奏家)に指導をうける。
   京都船岡山「やんちゃフェスタ」
 11月晋山式祝賀演奏
 12月 一日中ガムラン

2005年3月
 ティルトクンチョノ第2回定期演奏会
  現代曲「インテルメッツォ」(北浦恒人)、
  プスポワルノ(ジャワ舞踊)
6月ビンセント・マックダモット来日コンサートで「ティルトクンチョノのための協奏曲」を演奏
ビンセント氏から直接指導を受ける。

 この頃、ローフィット氏による個人レッスンスタート

9月滋賀県人権フェスタオープニング(水口文化芸術会館)で同曲を演奏。
パトゥグ(トゥグ・プジョディヨノ)に指導を受ける。

2006年2月 草津文化芸術会館
3月コンサート「さあ、トーマス」でロビー演奏

6月4日 第3回定期演奏会
    ルー・ハリソン「ピアノ協奏曲」
    創作「お米のはなし」

  8月 碧水ホール「野村誠の世界」でティルトクンチョノが「踊れ!ベートーヴェン」を演奏
  この頃、松元寺ゴンの入魂式
  同寺、御詠歌隊とのセッション奉納、草津「まちあかり」イベント、三雲保育園「夕べのつどい」
  11月 近江民俗芸能の祭典参加(米原)、
2007年6月 第4回定期演奏会
      マイケル ナイマン「タイムズ アップ」
 創作「へリオさんとふしぎななべ」 (朗読:市居みか)

関連の出来事

2001年9月「ガムランによって何が可能なのか」上演
  マルガサリ(中川真主宰)による伝統曲と舞踊、
  スンドラタリ「桃太郎第1場」(作曲:野村誠)
  演奏、舞踊体験ワークショップも

2002年春 碧水ホールがジャワガムラン楽器群を保有
6月水口町国際交流協会総会で公開
  解説 佐久間新(ジャワ舞踊家)
  6月ワークショップ(「まなびの体験広場」で)

9月マルガサリ+インドネシア音楽大学の教授達合同公演
 「千の産屋・イザナギ、イザナミの物語」上演


2003年2-3月ワークショップ(演奏編・ジャワ舞踊入門編)

  6月マルガサリ、大阪、イズミホール「新音楽の未来
    への旅」シリーズで公演、cd制作
8月「音楽ノ未来・野村誠の世界」で、伝説の作品
   「踊れ!ベートーヴェン」の6年ぶり上演、ワークショップによる新作「スケ子ッ!!!」初演
 9月ガムランコンサート「桃太郎第2場、第3場」
  (マルガサリ+野村誠、林加奈)

2004年2月 ガムランワークショップ

8月1日(日)
「音楽ノ未来・野村誠の世界2」
  桃太郎組曲
  ワークショップ作品「ダインダイン」(初演)

9月11日(土)ガムランコンサート
楽舞劇「桃太郎」第3場、第4場
マルガサリ+野村誠、林加奈







2005年3月 ガムランワークショップ

6月5日(日)ビンセント・マックダモット来日コンサート 「碧の森」「ティルトクンチョノのための協奏曲」
主催:マルガサリ

8月28日(日)
「音楽ノ未来・野村誠の世界2005」
ワークショップ作品「さるう」(初演)

9月18日(日)ガムランコンサート
楽舞劇「桃太郎」第4場、第5場
マルガサリ+野村誠、林加奈

2006年3月、4月「室内楽カフェ・音楽の作り方」で、
ガムランの新作(MU楽団主催)
2006年3月 たんぽぽの家+マルガサリ「さあトーマス」大津びわこホール、碧水ホールで上演

8月 野村誠ワークショップ 「音楽ノ未来・野村誠の世界2006」
  
9月 楽舞劇「桃太郎」1〜5場 碧水ホールで通し上演



2007年3月 マルガサリコンサート(大阪フェニックスホール)
   ガムランコモンズ-音楽の新たな領野
    三輪眞弘「4bitガムラン」(愛の賛歌)初演
2007年9月 碧水ホールで「ワンデー・ガムラン・ピクニック」
    三輪眞弘「愛の賛歌」上演


2008年8月 マルガサリがジョクジャカルタ、ジャカルタ、スラバヤで「桃太郎」公演

ティルトクンチョノの
ガムランピクニック
2008年9月7日日曜日
午後から
会場 八日市文化芸術会館展示室
 ガムランの楽器を囲んで、ゆったりとしたひとときを過ごしましょう。
 舞踊や演奏、コラボレーションの試み、観客も参加できるワークショップ、臨時のカフェ、バザーなどを計画中です。
●一緒にこのコンサートに出ませんか。
 今から練習に参加すれば間に合います、多分・・。
このページのはじめにもどる
表紙のページにもどる