プログラム
メヌエット ベートーヴェン
アマリリス ギース
ユーモレスク ドヴォルザーク
カノン パッヘルベル
子ども達と共に
アルキーナ組曲 ヘンデル
ワークショップの皆さんと共に
(ヴァイオリンワークショップは甲賀市碧水ホールの主催です。)
小さな四季
(休憩)
『四季』 ヴィヴァルディ
ヴァイオリン協奏曲集《和声と創意への試み》
(Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventzone") 作品8から
協奏曲第1番 ホ長調、RV.269「春」
(La Primavera)
協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」
(L'Estate)
協奏曲第3番 ヘ長調、RV.293「秋」
(L'Autunno)
協奏曲第4番 ヘ短調、RV.297「冬」
(L'Inverno)
ヴァイオリン 黒江 郁子
チェロ 田中 次郎
チェンバロ 宮澤 和代
アンコールは冬の2楽章でした。
出 演
サザナミ記念アンサンブル
指揮 鈴木 博詞
(賛助出演)
ヴァイオリンソロ 黒江 郁子
チェロ 田中 次郎
チェンバロ 宮澤 和代
ヴァイオリン 河本 学
吉澤 進
ビオラ 川本 祥子
ヴァイオリン 中倉 ゆり子 藤井 聖子
村上 ちひろ 西川 高弘
木村 誠志 野一色 清江
松宮 久美枝 廷々 百合子
笹倉 さつき 郷 祐貴子
難波 俊貴 濱野 セラ
ビオラ 中村 雅子
澤 卓哉 木南 香菜
コントラバス 藤野 悟朗
指導 鈴木 博詞 河本 学
田中 次郎
企画・監修 鈴木 博詞
後援 甲賀市、甲賀市教育委員会
協力 甲賀市碧水ホール
オーケストラ・アンサンブル・敦賀
加東フィルハーモニー管弦楽団
京都教育大学管弦楽団
墨染交響楽団
京都産業大学神山交響楽団
絵:こにし むすび
プロフィール
黒江郁子 ヴァイオリン独奏
京都市立芸術大学楽学部卒業。斉藤ヨシ子、岩淵龍太郎、木村和代の各氏に師事。現在、神戸市室内合奏団ヴァイオリン奏者。その他、関西を中心にオーケストラ・ソロ、室内楽等で幅広く活躍している。
2008年第8回サザナミ記念アンサンブル定期演奏会でヴィバルディ「四季」から「秋」で共演。
サザナミ記念アンサンブル
2000年6月、鈴木博詞氏の協力を得て、地域の子ども達に豊かな音楽環境を作るために、大人も子どもも参加できる市民オーケストラとして活動が始まる。
児童文学の発展に貢献した日本のアンデルセン巌谷小波の子ども達への思いを重ね合わせて「サザナミ記念アンサンブル」と名付けられた。子どもも大人もはじめての人も参加でき、本格的なクラシックを楽しむことを目標とする弦楽アンサンブルで、毎週木曜、午後7時から(子どもは午後6時から)碧水ホールで練習会を開いている。演奏活動だけでなく、地域でクラシック音楽を聴く機会を増やすためコンサートを企画し開催するなどの活動も行う。
鈴木博詞 指揮
京都市立芸術大学卒業後、京都市交響楽団へヴァイオリン奏者として入団。1993年京都チェンバーオーケストラを設立、指揮、音楽監督として活躍する。1998年4月スロバキア・ブラチスラヴァのカペラ・イストロポリターナ・オーケストラを、同年9月スロバキア国立オペラハウス室内オーケストラを客演指揮する。
ヴァイオリニストとして2009年まで神戸室内合奏団に所属する他、デュオ・ヴォルフィーとしての演奏活動、講演や生涯学習プログラムの企画などにも取り組む。
2000年から滋賀県甲賀市(当時は水口町)でサザナミ記念アンサンブルを監修、指導。
田中次郎 チェロ
京都市立芸術大学卒業、同大学院研究科修了。故黒沼俊夫、上村昇、ハーヴィー・シャピロクラウス・シュトルクの各氏に師事。NHK−FM出演。京都チェンバーオーケストラメンバー。神戸室内合奏団副首席奏者。神戸山手女子高校非常勤講師。
サザナミ記念アンサンブル開設以来チェロチームの指導に当たる。
メンバーの
お気に入りの逸品は?
自慢の品は?
恒例、メンバーからのアンケートです。
倉橋大樹
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前田貴生 |
阪神タイガースのグッズ
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島越春奈 |
うーん。SONYのウォークマンですかね。Ipodの陰に隠れかちですけど使いやすいです。曲と写真とビデオが入るので重宝してます。最近は9mm Parabellum Bulletというバンドの曲ばっかり入ってます。あぁっ、容量が・・・
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こにし おん |
こんちゅう
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こにし むすび |
200けい(しけん)
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鹿島丈嗣 |
○ダムカード○ぷらレール○つくえ
○うでどけい○トミカ
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鹿島小百合 |
誕生日に買ってもらった腕時計
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三浦聖斗 |
○自分で作った木の車!
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藤崎美江 |
本日の看板です。旦那様と私の作品です。ぜひ見て帰ってください。 |
笹井良子 |
春にまいたおしろい花が花を咲かせてくれました。切り花にして花びんにさしていると、いつまでも花を咲かせてくれます。黄色やピンクの色をした小さなラッパのようなかわいい花は自慢の花です。
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鈴川純子 |
はさみ。高校を卒業した頃に買ってもらいました。自分のワンピース、子どものスモックやナフキン、主人の着物などを断ちました。我家の歴史を切り開いてくれたはさみです。
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富田健太郎 |
子供の頃から好きだった漫画の数々。好きなものは何度読み返したことか・・・。中にはプレミアが付いているものもあるかも!?
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森口康子 |
小さいときからこつこつと手を動かすことが好きでした。最近は忙しくて遠ざかっていますが、家を片づけていると出てきました。昔作った作品が。
レース編みです。またしてみたくなり、レース糸を買ってしまいました。
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武村麻美 |
野球の応援グッズとマニキュアです。
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重田久代 |
お気に入りは“ユーモレスク”。昔聞いた曲でしたし、リズミカルで、のどかな情景が浮かんでくるようなので好きです。
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ヴァイオリンです。年数を重ねるごとに愛着がわいてきます。うで前があがらないのが悩みですが・・・。
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福住愛子 |
サンゴのネックレス。私の若い頃、母が誕生日にとプレゼントしてくれました。大粒が連なっているので当時としては高かったのだろうと思います。誕生石でもあるので大切にしています。
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池田朱美 |
昔のままの古い中庭です。新緑、紅葉、季節の移り変わりが楽しみです。 |
栗山攻治 |
趣味の木工を始めて約10年、家具のいろいろを手当たり次第に作ってきましたが、その内特に手の掛かったのがヴァイオリンです。1台1年半〜3年掛かりましたが、計5台となりました。最近、孫娘2人に1/2と1/4の分数Vnを作り与えました。これも「孫力」というべきでしょう。下の一人はVnのレッスンに通い始め、取り掛かったようです。オモチャ半分でVnと遊び、音楽と親しんでくれればよいと思います。
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正保富三 |
サウルハープ |
中村道男 |
自慢でお気に入り。もちろん「サザナミ記念アンサンブル」(弦楽合奏チーム)と「ティルトクンチョノ」(ジャワガムランアンサンブル・チーム)です。とても素敵な人たちが集まっていて、やろうとしていることは超本格的でエキサイティング。誰でもできますと言い続けてるところも素敵。
告白めきますが、皆さ〜ん、大好きで〜す。 |
田中香織 |
初めて購入した楽茶碗で佐々木昭楽さんの赤茶碗 加賀光悦写しです。 |
肥後安妃子 |
中学の時からコツコツ集めた畑正憲さんのムツゴロウシリーズの本。100冊はないかな?いつまでも元気でいらして欲しいなあとたまに思ったりします。 |
森田志都 |
こりゃ困ったゾ・・・。<考える・・・>残念ながら、特にありません。<考える・・・>ん〜ぅん。ありませんネ。(来年の質問には答えられるよーにしまっす。) |
鈴木則子 |
おそうじロボットのルンバ君!とても働き者で、部屋の中を行ったり来たりしながら懸命におそうじをする姿は、とてもけな気(・・・)。文句一つ言わず、私に代わって家中をそうじしてくれます!! |
村上寿子 |
自慢の品、それはズバリ、私のチェロです。長い間ケースから出さず放っておかれてもじーっと音程も(それほど)変えずに待っている様は、もはや忠犬いや忠チェロ。 |
高須美代子 |
車ですね。もちろんコントラバスも乗せられます。試乗車を家まで持って来てもらってサイズを合わせて購入しました。営業マンもビックリされていました。 |
河本 学 |
靴です。チャーチ二足(007・ジェームス・ボンドの靴)アレン・エドンモンズ三足(歴代アメリカ大統領の靴)トリッカーズ(英国・チャールズ皇太子の靴)ウェストン二足(歴代フランス大統領の靴)オールデン(ブルース・ウイルスの靴)プロケッズのビンテージスニーカー二足です。さてその入手先は……とてもじゃないけど値段は言えません。 |
小波からサザナミへ
大津に生まれ育った私にとって甲賀・水口は全く未知の場所であった。
大学卒業後に職を得たこの場所が東海道の宿場町であり、小さいながらも城下町でもあるということは知ってはいたが、町の規模や人気、そして風景をイメージする予備知識はほとんどなかった。
資料館に勤め始めて一年後に所帯をもち、水口に家を借りてようやく仕事にも土地にも慣れ始めたころに小波に出会った。正確にはまずは小学校の校門脇に立てられた校歌碑にその名を見付けた。歌詞を目で追うと、どこにも「水口」の地名が出てこないことに驚かされた。校歌碑の前には古い建物が陰鬱な感じで取り残されていて昔の図書館だと知ったが、ひび割れた窓ガラス越しにのぞくと、その荒廃ぶりに仰天した。それからしばらく小波は過去の人だった。
1990年代の半ばごろからだと記憶しているが、巖谷家につながる人々が、毎年のように資料館を訪ねてこられるようになった。小波の父一六の系統につながる人、小波の子供達の系統につながる人、さまざまだが、示し合わせて来られたわけでなく、巖谷の父祖の地をふと訪ねようと思いついて来られたという。水口で語られる一六・小波があるように、巖谷家で語られる近江・水口もあることを知った。あちらこちらと案内するうちに、二人のゆかりの地である水口に、たとえささやかでも拠り所が必要だと感じるようになった。
もちろん二人の業績はその筋々では「明治の三筆」「日本児童文学の創始者」としてきちんと理解されている。でも地元ではどうだろう。小波は水口でも何度か顕彰がされているが、広がりをもつには至らなかった。いつまでも一六は「一六さん」であり、小波は「小波さん」である。もちろん地元というのはそういうものだし、むしろそれが自然体の「顕彰」というものだろう。でもなにか寂しいし、もったいない。単純だが、それが「巖谷一六・小波記念室」に、そしてまた旧水口図書館の再生につながっていったと感じている。幸いにも巖谷家の方々のご援助を得、実現のはこびとなったのは、今日の厳しい経済状況を考えればまさに僥倖という感じがする。あの頃仕事にくたびれて家路を急ぐとき、クルマのなかでよく水口小学校の校歌を歌った。明治調の曲が郷愁を誘い、小波のちょっと寂しそうな笑顔が浮かぶ。もう一度歌う。妙なもので元気が出てくるのである。
小波の業績は「巌谷小波文芸賞」という全国規模の賞の名が示すようにきわめて多彩だ。子ども文化の全ての分野に彼の足跡がある。数千といわれる作品の再評価も進められている。また人間的に実に魅力的だ。得意があり失意があり、諦観がある。江戸があり、明治があり、そして昭和がある。私たちが生きようとしても生きられない人生である。
サザナミ記念アンサンブルは、こんな魅力的な人物を「記念」したものだから、もとよりすばらしいに決まっているのであるが、その名前についてはいささか思い出がある。創設前に中村道男さんから、小波の名を使ったアンサンブルはどうだろうかという話があった。別に私が許可云々する立場ではないので、それはすばらしいですねと申し上げ、そのとき中村さんだったか私だったか忘れたが、「小波」ではなく「サザナミ」がいいですねということになったと記憶している。そういうふうにしてアンサンブルの名前は一方的かつ秘密裏に「決定」されたのだが、その時、石や紙の顕彰碑ではなく、これは音の顕彰碑なんだなと私なりに解釈して、音楽にはとんと疎いのに、一人悦に入っていたことを今思い出しているところである。
米田 実(よねだ・みのる)
写真:2004年7月4日 旧水口図書館オープニングセレモニーで
米田 実(よねだ みのる)1959年大津市生。1983年歴史民俗資料館学芸員として水口町に就職。「巖谷一六、小波記念室」の開設、ヴォーリズ建築の旧水口図書館の保存修理などに関わる。現在、甲賀市史編さん室係長。
第9回“前夜祭”によせて!?
サザナミ記念アンサンブル敦賀支局団員 磯邉 彰
私が初めてサザナミさんの前夜祭に参加させていただいたのは、第4回目だったと思います。共通の指導者の鈴木先生を頂く姉妹アンサンブル同士、お互いの演奏会にそれぞれの団員が出演するようになり、本番前日の伝統あるサザナミさんの“前夜祭”に毎年のようにお邪魔させていただいてきました。途中1回だけ職場の祭りが重なったため参加できませんでしたが、あとは出勤日だったり娘の保育園の運動会と重なっていたりしても途中で切り上げて、(リハーサルに間に合わなくても!)前夜祭に駆けつけたものです。
演奏会後に打ち上げをするのがよくあるパターンですが、特に遠方から来てリハーサル後に宿泊する者にとって、みんなで美味しい食事とお酒を囲んで一夜を過ごすのは、家庭や仕事を忘れて“非日常”を体験できる“極上のひととき”となっているのでした。
今回は大変残念ながら週末に仕事が入ってしまい、駆けつけられませんでしたが、前夜祭並びに第9回定期演奏会のご盛会をご祈念申し上げます。そして来年こそ“第10周年記念祝賀大前夜祭”に参加させていただきたいと今から楽しみにしています。(もちろん第10回記念定期演奏会にも!!)
磯邉 彰 コントラバス
関西大学法学部卒。在学中よりコントラバスを石井博和氏に師事。91年敦賀でコントラバスリサイタルを開催。現在通所授産所勤務。福井交響楽団およびオーケストラアンサンブルつるが所属。第8回サザナミ記念アンサンブル定期演奏会ではヴァンハル「コントラバス協奏曲」で独奏するほどの腕前。たのもしい助っ人・・・、さぼりがちなサザナミのメンバーと思っている人も多い。今回は都合により欠席。
サザナミとの出会い
サザナミ応援団大阪支部(?)VA 中村 雅子
あれは確か1999年初夏、私のヴィオラの先生で現在サザナミの指導者の鈴木先生から「滋賀県の水口というところで初心者のヴァイオリンのワークショップをやるので、遊びがてら来ない?」というお誘いをいただいて・・・今思えば、あの時がサザナミの出発点だったのですね。
2000年には初めての定期演奏会に参加させていただき、それから以降も大小取り混ぜてたくさんの演奏会を経て来年が10周年とは!
大阪在住なので普段の練習には全く参加できず、いつもぎりぎりに行かせていただいているにもかかわらず、毎回変わらず暖かく受け入れていただいて心から感謝しております。
いつお邪魔しても、皆さん一生懸命でかつ楽しそう!その雰囲気がうれしくて、参加させていただいています。(特にここ数年の前夜祭!どなたが考えたのかとってもいいアイデア)
今後のますますのご発展を心からお祈りしております。
中村雅子 ビオラ
柏原市在住のオペラフリークの主婦(両立はむずかしい、というよりそういう存在はなりたたないと思うけど・・)。鈴木博詞氏の甲賀市での活動が始まって以来のアシスタント。手薄なビオラの貴重な助っ人。アマチュアオーケストラ活動の内情を知る貴重なオーケストラ運営アドバイザーでもある。
メンバー募集中---------------------------------------
『サザナミ記念アンサンブル』は2000年に甲賀市で生まれたアマチュア弦楽アンサンブルです。音楽を楽しみ、あたたく健康的な心と体を育み、年齢や性別に関わらず仲間を作り、明るく住みやすい地域づくりに役立てることを目的に活動しています。
子どももおとなも、初めての人も、ワクワク、ドキドキ練習中です。
対象 6歳〜70歳 まったく初めての方も受け入れます。
日程 毎週木曜日(月3回)
会場 碧水ホール
参加のお申し込み 練習日に見学に来てください。
レッスン方法 グループレッスンです。
指導 鈴木博詞(ヴァイオリン、ビオラ)
河本学(ヴァイオリン)
田中次郎(チェロ)
受講料 6,000円+会場費1,000円(月額)
楽器 楽器は個人でご用意いただきます。ご相談にも応じます。
企画・監修 鈴木博詞
主催 サザナミ記念アンサンブル
お問合せ 碧水ホール0748-63-2006
http://www.jungle.or.jp/sazanami/
e-mail sazanami@jungle.or.jp
エキストラ登録(管楽器含む)、運営に関わるボランティア、活動資金の寄付なども求めています。
(ホームページのディスクスペースは(株)アットマークから無償で提供されています。)
解説:四季 (ヴィヴァルディ)
「四季」(イタリア語:Le Quattro Stagioni、英語表記はThe Four Seasons)は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12曲から成るヴァイオリン協奏曲集《和声と創意への試み》 (Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventzone") 作品8の内、第1集すなわち第1曲から第4曲までの「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。ただし、ヴィヴァルディ自身による命名ではない。
「四季」の各協奏曲はそれぞれ3つの楽章から成っている。それぞれの楽章にはソネットが付されていて、作者は不明である。このソネットゆえ、この曲は標題音楽に分類される。 ヴィヴァルディはこの「四季」で新しい旋律法やダイナミズムを追求した。
作曲年 1725年に発刊された。
献呈モルツィン伯爵ヴェンツェスラウ
楽器編成
独奏ヴァイオリン
第1・2ヴァイオリン
ヴィオラ
通奏低音(チェロ・コントラバス・チェンバロ)
曲の構成
協奏曲第1番 ホ長調、RV.269「春」(La Primavera)
アレグロ (Vivaldi Spring mvt 1 Allegro)
春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら戻って来て祝っている、水の流れと風に吹かれて雷が響く。小川のざわめき、風が優しく撫でる。春を告げる雷が轟音を立て黒い雲が空を覆う、そして嵐は去り小鳥は素晴らしい声で歌う。鳥の声をソロヴァイオリンが高らかにそして華やかにうたいあげる。みな、和やかに
ラルゴ (Vivaldi Spring mvt 2 Largo)
牧草地に花は咲き乱れ、空に伸びた枝の茂った葉はガサガサ音を立てる。ヤギ飼は眠り、忠実な猟犬は(私の)そばにいる。弦楽器の静かな旋律にソロヴァイオリンがのどかなメロディを奏でる。ヴィオラの低いCis音が吠える犬を表現している。
アレグロ(田園曲のダンス) (Vivaldi Spring mvt 3 Allegro)
陽気な田舎のバグパイプでニンフと羊飼いが明るい春の空で踊る。
協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」(L'Estate)
アレグロ・ノン・モルト−アレグロ (Vivaldi Summer mvt 1 Allegro non molto)
かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と家畜の群れはぐったりしている。松の木は枯れた。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトとスズメの囀りが聞える。柔らかい風が空でかき回される。しかし、荒れた北風がそれらを突然脇へ追い払う。乱暴な嵐とつんのめるかも知れない怖さで慄く。原譜には「暑さで疲れたように弾く」と指示がある。ヴァイオリンの一瞬一瞬の“間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。
アレグロ・プレスト・アダージョ (Vivaldi Summer mvt 2 Adagio)
彼の手足は稲妻と雷鳴の轟きで目を覚まし、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。
プレスト(夏の嵐) (Vivaldi Summer mvt 3 Presto)
嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と巨大な雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。
協奏曲第3番 ヘ長調、RV.293「秋」(L'Autunno)
アレグロ(小作農のダンスと歌) (Vivaldi Autumn mvt 1 Allegro)
小作農たちが収穫が無事に終わり大騒ぎ。ブドウ酒が惜しげなく注がれる。彼らは、ほっとして眠りに落ちる。
アダージョ・モルト(よっぱらいの居眠り) (Vivaldi Autumn mvt 2 Adagio molto)
大騒ぎは次第に弱まり、冷たいそよ風が心地良い空気を運んで来てすべての者を無意識のうちに眠りに誘う。チェンバロのアルペジオに支えられてソロヴァイオリンは眠くなるような長音を弾く。
アレグロ(狩り) (Vivaldi Autumn mvt 3 Allegro)
夜明けに、狩猟者が狩猟の準備の為にホルンを携え、犬を伴って叫んで現れる。獲物は彼らが追跡している間逃げる。やがて傷つき獲物は犬と奮闘して息絶える。
協奏曲第4番 ヘ短調、RV.297「冬」(L'Inverno)
アレグロ・ノン・モルト (Vivaldi Winter mvt 1 Allegro non molto)
身震いして真ん中で凍えている。噛み付くような雪。足の冷たさを振り解くために歩き回る。辛さから歯が鳴る。ソロヴァイオリンの重音で歯のガチガチを表現している。
ラルゴ (Vivaldi Winter mvt 2 Largo)
外は大雨が降っている、中で暖炉で満足そうに休息。ゆっくりしたテンポで平和な時間が流れる。
アレグロ (Vivaldi Winter mvt 3 Allegro)
私たちは、ゆっくりとそして用心深くつまづいて倒れないようにして氷の上を歩く。ソロヴァイオリンは弓を長く使ってここの旋律を弾きゆっくりとそして静かな旋律に続く。しかし突然、滑って氷に叩きつけられた。氷が裂けて割れない様、そこから逃げた。私たちは、粗末な家なのでかんぬきでドアを閉めていても北風で寒く感じる。そんな冬であるがそれもまた、楽しい。

絵:こにし おん
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