腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒が各地で猛威をふるったのは1996年のことですが、皆さん覚えていますか。今年は幸いに大きな集団発生はありませんが、家庭の調理が原因と考えられる食中毒は散発的に発生しています。
食中毒は梅雨時に多いのはもちろんですが、晩秋までは食中毒のシーズンです。夏を乗り切ってひと安心し、注意を怠っていると、いつまた食中毒が集団発生するかわかりません。
■ 予防3原則と6つのポイント
食中毒の予防3原則は、食中毒菌を@「つけない」、A「増やさない」、B「殺す」です。この3原則をもとに「食中毒予防6つのポイント」をまとめてみました。一見単純なようですが、これらをきちんと守れば食中毒は予防できます。
それでも、もし腹痛や下痢などの症状がみられたら、できるだけ早く医師の診察を受けて、「いつごろから、どんな症状が出始めたか」「どんなものを食べたか」を報告してください。
食中毒予防 3原則 |
食中毒菌を つけない |
ポイント1 | 買うとき 生鮮食品は新鮮なものをよく選んで買う。 食料品は最後に買い、買ったら寄り道をせず、早目に持ち帰る。 |
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ポイント2 | 保存するとき 持ち帰った生鮮食品は、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる。 庫内は詰め過ぎないよう7割程度に。 | ||
食中毒菌を 殺す |
ポイント3 | 下準備をするとき 手をよく洗い、包丁、まな板、ふきん類は清潔にしておく。 ゴミは菌の温床となるので、まめに処分する。 | |
ポイント4 | 調理するとき 加熱して食べる食品は十分に加熱する。 目安は中心部の温度が75℃以上で1分間以上加熱すること。 | ||
食中毒菌を 増やさない |
ポイント5 | 食べるとき 調理したらすぐに食べ、室温で長く放置しない。 O157は室温で15〜20分のうちに約2倍増える。 | |
ポイント6 | 残ったとき 清潔な食器で保存する。ちょっとでも怪しいと思ったら 食べないで捨てる心がまえが大切。 |
【参照】日医ニュースNo.58 より