九段の桜 / 野重九会

事務局の父を頼りにこの会は始まった

定年後のすべてをこの会に捧げた

有り難う仲間はいつも話す

悲惨な戦争は余りにも悲しいことだけど

今の平和の日本で生き甲斐は戦友会

もう二度と過ちは繰り返したくないから

晩酌の時の口癖と母は言ってた

サイパンで友を亡くし何度も島を訪ねた

遺品を集め記念碑を建て供養した

10年後病で倒れた

戦友を追いかけて帰らぬ旅に出た

いつかは無くなるこの会の植えた一本の桜が

今年も九段の神社に咲いてますよ

もう二度と戦争は無いようにと祈るように

空の上から見えますか 来年も必ず咲くでしょう

懐かしい戦友と話してますか とっても絆は強いでしょうね

貴方の優しさと桜はこの会に残ります

来年もきっと来ます兄と一緒に

この歌を亡き父に捧げます。安らかにお眠り下さい。

貴方の息子より。辻村雄二郎 

著作権:辻村雄二郎

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