芝田 勝茂(しばた かつも)


 最初に読んだのは、福音館書土曜日文庫の1冊として発行されていた「夜の子どもたち」でしたが、黒っぽい装丁のこの本は、手にとった瞬間から何かが起こりそうな予感がしました。日本の子供向けの本にカウンセラーという職業が出てきたのを見たのは始めてで、それが堅苦しくなく、謎に満ちたファンタジーとして描かれているのにとても惹かれました。福音館土曜日文庫の他の2冊は、もっと明るい雰囲気のファンタジーだったと思います。今は品切れで手に入らないようですので図書館で探してみて下さい。
 作者紹介に”十数年間、子供達のサマーキャンプを企画、実行してきた体験により作品が生まれている。”とありました。

1

夜の子どもたち


  (パロル舎)
1985年福音館書店刊を加筆訂正
ある日突然、登校拒否におちいった5人の子どもたち。「夜外に出たものは、『カレルピー』に出会う」。カウンセラーの資格テストを兼ねて八塚市を訪れた正夫と、審査官のルミは、暗黒の闇につつまれた町で、謎に立ち向かう。
2
ふるさとは、夏  (パロル舎)
      1985年福音館書店刊を加筆訂正
夏休み、みち夫は父のふるさとで過ごすことになった。はじめての田舎での生活に戸惑うみち夫は、不思議な少女ヒスイと出会い、二人の前にはおかしな神様たちが現れる。
3
きみに会いたい  (あかね書房)金色の夕暮れ。涙が出そうになるのはどうして。だれもわかってくれない。こんな気持ちにだれも気づかない…。駅の踏み切りを渡り、坂道にさしかかろうとしたとき、心の中にいきなり、どこかから声がこだましてきた。
4
星の砦  (理論社)春、圭の新しいクラスは、十万人のマンモス団地「新東京タウン」の中の「タウン第一街区小学校」6年5組。しかし、このクラス替えは、数千年後の宇宙戦争へと結びついていた…。クラスメート32人が体験した未来。
5
時のむすめ  (教育画劇)大きなブナの木の下で一人の少女が目をさましました。その少女は千年に一度やって来る『時のむすめ』でした。少女は彦星と花伝という名の兄妹に出会い、二人のために石の都に出かけて行き、石びと達に美しい森をとりもどしてあげました。
6
ドーム郡ものがたり
  (福音館書店 福音館土曜日文庫)
森の中で生まれ育ったクミルは、小鳥や動物のことばを子供たちに教える素敵な先生。人の心をこおらせるフユギモソウから、ドーム群を守るべく、コノフの森をめざして出発します。
7
虹へのさすらいの旅
  (福音館書店 福音館土曜日文庫)
泥沼化した戦争の嵐をしずめる役目を負って旅に出た少年が出会う、愛と冒険のファンタジー。
8
進化論  (講談社)遺伝子異常児の誕生。すべてはそこからはじまった。彼らを「抹殺」する理由は単に異端を排除する論理からなのか、それとも「人類の意志」からか。近未来世界でくり広げられる、果てのない戦いの行方。
9
雨ニモマケチャウカモシレナイ

  (小峰書店)
「夕暮れには不思議な魔物がひそんでいるんだ」
いつものようにわけのわからない言葉からはじまったアミの話。ところが、今日は本当に不思議な少年が現れ…。
10
アスターシャ、どこ?  (あかね書房)アスターシャのおかあさん、フルールは、とっても強くて、こわい、おかあさん。きょうりゅうの丘で、ものすごい地ひびきが。それは、フルールのいびきです。だけど、とてもかわいいところもあるのです。(幼年童話)
11
あしたへ,アイドル!  (講談社)
12
アイドルをめざせ!  (講談社)
13
子どもと本31人からのメッセ−ジ
これからの読書と児童文学を考える会  (みくに出版)
近未来の物語「ゼロモニター」とう短編が収録されています。