ジョンソン先生の発音レッスン 

ラターのアンセムを滋賀県合唱祭で演奏するため、発音の集中練習を持ちました。目的は本物の外人さんが聞いて「判る!」様に歌うためです。

 


2000年 5月27日(土) 晴
 今日はアメリカからのお客様がAUGに来てくださる日です。
 私達の今練習しているアンセムの歌詞が英語なので発音を見ていただけるそうです。
 アメリカの人、といっても滋賀県庁にお勤めの大津市在住の方です。先生は**さんが県庁のコピー室で交渉してくださったマーク・ジョンソンさんで、日本はもう4回目。国際交流で滋賀県に来ておられます。過日大津で開かれた、G8環境大臣サミットでは滋賀県知事演説の英訳と知事への発音指導もされた方です。(知事様も一夜漬けだった・・?!)
 「よーし今日は英語で挨拶をしてみよう。」朝から・・・Nice to meet you・・・.I hope you・・・ と、いろいろ英文を考えながらうきうきしていたのです。
 彼は6時半にやってきました。すぐに前に座ってもらって演奏を聴いていただきました。
 フレーズごとに演奏を止めては英語を聞いて直してもらうのですが、ビックリしたのは彼の日本語があまりにもお上手なことです。せっかく考えた英文をしゃべるどころか関西弁で十分な私達なのでした。
 初めのうちはこちらも彼も緊張していました。最初は色々注意していただいて直していく事で精一杯でしたが、そのうち「先生」の方も慣れてこられて、男声、女声に分けての指導や、最終的には音楽的なことも。
 切り方が早い人は注意をされたり、おしゃべりもダメと指摘されたりと「先生」らしくなってこられました。和やかな雰囲気で発音の勉強が出来たと思います。

 最後にOKが出ました。歌詞を見なくてもずいぶん判る英語になって来たと・・・・。
 練習の後はいつもの宴会。今日はジョンソンさんのために何か日本のお料理を・・と思ったけれどあまり時間もなく、自宅の夕食のお寿司、枝豆、焼き鳥等で乾杯。初めての外国からのお客様でドキドキ・・・。納豆やフナ寿司は食べられないらしいけれど日本になじんでいらっしゃるし、日本人よりもきれいな日本語を使われるので頭が下がる思いでした。「こだわり」なんて日本語も私達よりわかってらっしゃる。(「こだわり」のある人って誰の紹介だったと思う?)
 教えてもらって思ったことですが、まとめてみます。
@ 私達が英語らしく聞こえるようにと思って「曖昧に」発音している言葉、あえてはっきり言っていなかった言葉は、むしろ「聞き取れないのではっきりと」と言われる事が多い。たとえばbeautyもはっきりビューティー、youも深い強いユウでした。
A keep、speak、などが浅くなるのは子音がはっきり言えていない。目を大きく見開いてk、spを言う感じ。なんだか発声練習に似てきました。
B unto you 等 前置詞+目的語 は「意外なほどまず前置詞をはっきり言って」から、少し間を置いて you を言う。また unto の un と to は to に意外なほどアクセントがある。into なども同じでしょう。こういうとリズムがあります。やってみてください。

C in、looking等は母音がより深く発音できれば英語らしく聞こえる。(日本語のイやウでは決してないことを繰り返し指摘していただきました。inは少し「エン」の感じで「いん」ではない。)
D 語尾の子音、たとえばd、tなどをはっきりという。しかもみんなが揃える。
E thの発音は大将が彼の前へ行って、口をよく観察させてもらいました。舌がかなり前に出てからすぐに引っ込みました。短時間のうちに舌や口がよく動くのが日本語との違いだと思いました。

F 男女分かれてやった場合は低い音域の人の方が発音をほめられます。ソプラノの場合でもオクターブ下で歌った方が発音をほめられます。raise、praise等母音になるまでに子音の時間が長い単語の方がこの傾向がはっきりします。おなかの使い方と大いに関係があるように思います。
G flow’rs of earth and buds of heav’n というフレーズは、我々が最も苦労しているところですが、あっさりきれいに見事に速く話されました(当ったり前か)。コツはs−ofを・・・zov  みたいな音にする事。

H and と end のデリケートな差を正確にする。これも「あんど」、「えんど」とは違う。
I 口の中をかなり開けた人の方が英語に近い発音になります。
J 文章(詩)として朗読してもらうと、以外と抑揚がなく強弱・リズム(音の長短)があること。
K 以上総合して、日本語は非常に音楽的でない言語だと思います。英語のみならず、外国語の練習をするだけで発声練習になるのでは?・・・
L その他いっぱいの指摘がありました。アメリカもイギリスも地域によりいろんな発音があるでしょうしまた違う先生に教えて頂いたら違う事を言われるかも知れません。しかし少なくとも日本語的な発音はずいぶん直ったと思います。今度の練習の時に永井先生と津久井さんにに聞いていただいて、「ずいぶんよくなった」と言われるように忘れないようにしたいと思います。
 最後に日本語の勉強は大変でしたか?との問いに、「いや母音の数が少なくそれほどでもなかった」とのことでした。

打ち上げにて(食べるポーズまでしていただきました。)


ジョンソンさんありがとうございました。


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