高島硯

明治から大正にかけて山間に生産され、安曇川五番領、三尾里の農家の副業として、かつては15万面から20万面を生産していました。大正天皇即位の際に献上されたことからも、高島硯が高島郡の代表的な特産品だったことがうかがえます。

 しかし、昭和に入ってから、それまで原材料としていた安曇川の阿弥陀山産出の虎斑石が取れなくなり、さらにペンの普及で硯の需要が減り、現在ではわずか2名の職人が、注文製作によって伝統を守っています。

虎斑石の特徴は、堅からず軟らからず鋒范(ほうぼう)と呼ばれる石理がそろっていて、墨の粒子が適度な大きさにおりるばかりではなく、水持ちが良いので、多くの文人や書家に愛用されています。

 また、近年では、芸術品としても見事な作品も見られます。

高島硯で忘れてならない人物に、江戸後期の歌人・中江千別がいます。千別は青柳の人で、農業のかたわら高島硯を行商しながら、伴資芳・村田春門などの諸国の文人・学者と親交し、自らも多くの和歌をつくりました。

高島硯は注文制作です。

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